ワンマンライブ


2000年10月27日 大阪心斎橋・クラブクアトロ
1.さよなら大好きな人(keyboards:おのまきこ,こじまいづみ)
2.あなたに逢いにゆきましょう(keyboards:こじまいづみ,おのまきこ)
3.アドバイザー(keyboards:おのまきこ,こじまいづみ)
4.赤い自転車(keyboards:おのまきこ,こじまいづみ)
5.あくび(keyboards:こじまいづみ,おのまきこ)
6.奇跡の裏側(keyboard:おのまきこ)
7.1ばんほしかったもの(keyboard:おのまきこ)
8.ふたつのてのひら(keyboard:こじまいづみ)
9.空の青(keyboard:こじまいづみ)
10.祈り(keyboard:こじまいづみ)
11.植物園北門前(keyboard:おのまきこ)
12.HEART(keyboard:こじまいづみ)
13.A lot of money(keyboard:おのまきこ)
14.あ〜よかった(keyboard:おのまきこ)
(encore1)
15.ずっと一緒に(keyboard:おのまきこ)
(encore2)
16.ハナムケノハナタバ(keyboard:おのまきこ)
本日は関西発信の情報誌「Lマガジン」とのタイアップによるワンマンライブ。チケットは抽選による販売。8月後半に申し込み,10月上旬にチケットが郵送されてきた。これで一安心。しかし,このチケットは「ペアチケット」だったので,同行者が決まらぬまま,申し込まれたファンも多かったよう。ライブ前に,あちこちのファンサイトの掲示板を見て,「今後の課題かな?」と思ったりもする。そんなこんなで,心斎橋クラブクアトロへと出向く。
現地には午後5時過ぎに到着。かなり早すぎた。ま,それまであちこち見て回っていたこともあるのだが。クアトロが入っているパルコの前で時間つぶし。途中,顔見知りの方と立ち話などをしたりする。私の相方(同行者)とは,6時過ぎに待ち合わせをして,8階のクアトロのあるフロアに,エレベータで上がる。だが,既に入場が始まっており,整理番号はこの時点で無効。入場待ちの列の一番最後まで行って並ばねばならない。その列は階段を下って長々と続いており,一番最後は何と1階。
相方と「何のために上がったかわからん…」などと言いつつ,人いきれで暑い中,しばらく待ってから入場。こう書くと「ペアチケットだから2つに切り離して場内で待ち合わせすれば…」と,言われる方も居られるかも知れないが,このチケット,「右と左に泣き別れ」させるのが忍びないデザインなのでねぇ〜。
入口でカメラチェックを受け,この度,発足する花*花ファンクラブ「花御膳」の,入会案内チラシを受け取り,正面のCD即売カウンターに目をやりつつ,右手にある客席へと向かうが…いやぁ〜人でいっぱい。ステージの正面部分は,もはや立錐の余地もなさそうな感じ。後ろの方には余裕があったが,そこは見にくいので,一段高くなってテーブルがあるところ,その辺に位置取ることにする。最後列から数えて3列目ぐらいか?ドリンクを引き換えるのにも長い列が出来ていたので,後にすることにして,開演の7時を待つ。
7時を10分ぐらい過ぎたところで,照明が落とされ,ステージ上にはバンドメンバーが登場。続いて,花*花のお2人が登場。場内からは拍手と歓声が湧き起こる。本日の衣裳は,おのさん:青いTシャツにジーンズ。こじまさん:オレンジのTシャツにジーンズとラフな感じ。
ステージ上手のキーボードにこじまさん,下手の方におのさんという,毎度お馴染みツインキーボード。しばらくピアノ音のインストを弾き,まず1曲目「さよなら大好きな人」。初っぱなに新曲とは,ちょっと驚き。続いて,「あなたに逢いにゆきましょう」。イントロで「こんばんは〜花*花で〜す」と御挨拶。でもって,「アドバイザー」と3曲を続けて披露。
演奏後,改めて御挨拶。今回のライブはたくさんの人が来場しているが,実はあまりに希望者が多かったため,予定していたよりも多めにチケットを販売したらしい。それで,こんなに一杯だったのか…。元々,200組400名と言ってたのに,入場待ちで並んでいた階段には,200以上の数字を書いた貼紙があったので,「これは整理番号か??」と訝しげに思っていたが,そういうことだったんですね。だから場内は「ぎゅうぎゅう詰め」状態。お2人もそれを気遣って,「しんどくなったら早めに言ってね」,「前後左右の周りの人も助けてあげて」,オチ?としてこじまさんが「後でビニール袋を回しますので…」。まさか,ライブで「エチケット袋」が??真夏の野外ならともかく…。結局,そういう事態にはならなかったようで何よりです。
演奏再開。「赤い自転車」,「あくび」の2曲を歌います。「赤い自転車」の間奏で♪チリリ…と,自転車のベルのような音が聞こえてきます。新しい趣向なのでしょうか。歌唱後のMCでも,そのことについて話す。こじまさんが「みんなドラムの方を見てたでしょ?」。そう,ドラムセットの正面に何故か「自転車のハンドル」が付けられています。凝ってますなぁ〜。「そのうち車輪とかも付いてたりして…」と,こじまさんは話すが,さすがにそこまで…やりかねないかな?「あくび」は新アルバムからだったので,そのアルバムについて「買って頂けましたか?」,「25日に出たばかりなのに,今,一緒に歌えている人ってすごいね」などとの話しがあり,続いて新アルバムから何曲か歌う。ステージ初披露の曲もあるが,それは「大阪が実験台」であるかららしい。
そうか,我々は試されているのか…ある意味,全国に先駆けて聴くことが出来るので,非常に有り難いですね。
こじまさんがキーボードを離れ,マイクを持ちステージ前方へ。「今日,阪急電車で来られた方は居ますか?」,「この歌は阪急に乗っているときに出来ました」,「“何とか南方”駅を走っているときに…」などとの紹介と共に唄うは「奇跡の裏側」。この歌は,「おのまきこボーカル」と「こじまいづみボーカル」がリレー形式になってる,珍しいパターンですね。歌詩も車中で作ったことが,よく窺える内容です。
それに続いて「1ばんほしかったもの」。この歌は何時聴いても,しっとりと染み入ってきますね。東京某所で「ヤンキーを泣かせた」という逸話もよく判ります。

おのさんと位置交代。そして,「さきほどの2曲は新アルバムに…」という説明をします。で,「1ばん〜」はアルバムの最後のトラックに入ってるので,「この歌はトリです,サブちゃんです」と…。この「トリ云々」という話しは最近よく耳にするが,今日は,もっと深い「演歌の世界」の話しが続く。
どうやらトリで歌うような大物演歌歌手の人たちは「ゴールドマイク」を使い,それも「桐の箱」に収められており,おまけにマイクの下に「座布団」を敷いているらしい…。これだけでも,こりゃすごいと思える。だが,この後の話しも,すごいもの。そのマイクの「渡し方」にも礼儀作法が有るらしい。例えば,山本譲二が師匠の北島三郎に手渡す時は,舞台袖の方で「こう,膝をつくような感じで…」と,おのさんがこじまさんに向かって「実演」をして示す。なるほどねぇ〜。さすが演歌の世界は義理人情?花*花に,そう言うことをされると…と自問自答をしていたが,やはり「小心者」なので出来ない,畏れ多いらしいです。
後になって,ふと思ったが,これって紅白歌合戦でのエピソードですよねぇ〜。ということは紅白関係者から聞いた話し?しからば,今年の紅白に…ってこと??
さて,演歌の世界から花*花の世界に戻ります。「こじまいづみ・おのまきこ,初合作の歌です」,との触れ込みに続き,「ふたつのてのひら」を唄う。ここからお待ちかね「まきちゃん熱唱タイム」の始まりのようです
歌唱後,こじまさんから「まきちゃん,この“てのひら”は誰の?」と厳しい質問が投げかけられます。そう,作詞はおのさんです。一体,誰の「てのひら」なのでしょう。おのさんも「訊きたいやろぉ〜」,「私も言いたいねん」と,客席に向かって話しています。結局,おのさん自身の「理想」や「希望」を歌詩に託したという答え。
それを聞いて怒った?こじまさん「私の“てのひら”って言ったやん!」。こじまさんとおのさんの「てのひら」?おのさんも,それが何のことだか気付いたらしく,キーボードのこじまさんに向かって,精一杯「てのひら」を差し出すが,こじまさんは,手を出して応えることもなく…すねてしまったかな?
どうやら,雑誌の取材が立て続けに有った時に,ふと,おのさんが,「“ふたつのてのひら”は,私とこじまさんの…」と記者に話したらしい。それで出来上がった記事が「花*花レズビアン説」だったらしいとからしくないとか…。
また,取材の時,たまたま機嫌が良くなかったのが,お2人ともぶすっと不満顔をしていたら,記事の見出しが「花*花不仲説」だったとか何とか…取材される方も大変です。自分で書くわけではないのでねぇ〜。
熱唱タイムは,アルバム「11songs」から「空の青」,「2souls」から「祈り」が続きます。この「祈り」はホント切ない歌詩ですね。おのさんの声にも合って,情感も増幅されるような思いがします。また,作詞がこじまさんなので,ここに繰り返し出てくる「神様」というフレーズに込められた意味は,普通に考える以上の重みや存在感があるのではないかと思ったりもします。
いやぁ〜それにしても,1人で歌い上げるおのさんの姿,かっこいいです。「おのまきこ」ファンならお判りになるでしょう。歌唱後に,こじまさんも「まきちゃん,かっこいい」と唸っておりました。それを聞いて,おのさんは少し恥ずかしそう。逆に,こじまさんに「いーちゃんも,かっこいい。いや,“かわいい”かな?」と返答するが,どうもこじまさんは「“かわいい”と言うより“かっこいい”」と言って欲しそうな感じでした。
再度位置交代。こじまさんがマイクを持って前に出ます。「秋と言えば金木犀」,その金木犀(植物)つながり?で,「この前,(京都北山の)植物園に“キノコ展”を見に行ってきて…」,と話すと客席からは「食べたの?」と声が掛かる。「いや,食べるんじゃなくて色々なキノコを見てきたの」と説明するが,この話しにもオチがあったりします。「植物園の前のセカンドハウスというレストランで,“キノコスパゲティ”を食べて…」と言ってしまいました。おのさんからは「何や,食べてるやん」と厳しいツッコミ。客席は爆笑。
この話しをマクラにして唄うは「植物園北門前」。終わって,おのさんがマイクを手にして,「どんどん行くで,ついてきて!」と客席を煽って唄い踊るは「HEART」。ステージ上も客席も楽しそうに踊り身体を揺らしています。「花*花しっとりタイム」は営業終了しました。
その後も負けずに,こじまさん「まだまだ行くで!」と,ステージ前方へ歩み出る。ステージ袖からスタッフが何やら手に持って,おのさんへと歩み寄る。それはタオルに包まれた眼鏡だった。おそらく,先ほどの「演歌の世界」を意識して,それっぽくしたのであろう。おのさんが眼鏡を手に取り,こじまさんに掛けようとするが,わざと頭の上に置いたりして,じらしている。
ようやく眼鏡を掛けて,こじまさんがザマスマダムに大変身。「ありがとう〜」と毎度の一声で客席は大歓声。盛り上がりの図式で言えば「おのまきこ=HEART」,そして,「こじまいづみ=A lot of money」と来ます。「私お金持ちザマス〜♪」と始まりました。ファンのみんなも「A lot of money」と声を挙げています。いつもながら,この歌は非常に場が盛り上がります。間奏部分でメンバー紹介をして,そのままの勢いで,次へ。
こじまさんが「いつも,これが最後の曲ですと言うと“えーっ”って言われるのですが…」,「でも,次が“最後の曲”です」と,なんだか「そのまんま」な紹介だったが,ひとまず最後の曲,これはもはや誰もが知ってて口ずさめる名曲,「あ〜よかった」です。みんな思い思いに手を叩き,口ずさんでいます。こじまさんボーカルの「もしもうつむいて倒れかけたら〜♪」に続いて,マイクを客席に向けたら,それはもう,「泣き虫な私のそばで泣いたらいいよ〜♪」と,みんなの大合唱が繰り広げられる。あと,英語詩の「from now on〜♪」ところで,こじまさんが右手を右→胸→前と動かす振り付けを,客席のファンも真似をしてやっていました。これはもうお約束的なものになっているのではないかと思ったりもします。
ちなみに,その中心にいた熱狂的なファンたちは頭に,何やら小さなボトルを付けておりました。赤やら青やら黄色やら。これは,先日の「アフロ禁止令」以後の,新しいアピール方法なんでしょう。目立っています。
この歌が終わって挨拶があり,お2人とバンドメンバー達が退場する。時刻は8時半。
客席からは万雷の拍手が鳴り止まない。アンコールを求めて,その勢いは益々増していく。ついには「いーちゃん,まきちゃん」コールまで巻き起こる。これは初めて聞きました。そうこうするうちに,お2人が再度登場。どうやらステージに上がろうかと思った時に,このコールを耳にして,恥ずかしくなってしまい出るのを少しためらってしまったらしいです。
そんなこんなで,アンコールが始まります。たった2人の「チーム高砂」のステージが。こじまさん曰く「バンドさんのギャラは,あそこで終わり」らしいとか…ホンマかいな?最近あちこちで話しているように,どうやら来春にライブツアーは本当に行われるらしい。それもファイナルは大阪。もちろんファンのみんなは見に行くであろうが,いつまでも花*花を応援してくださいとの意味も込めて,アンコール曲,唄うは「ずっと一緒に」。最後はしっとりと締めるのが,花*花の流儀です。再度,挨拶の後,退場。だが,しかし…またもや拍手が鳴り止まない。客電もついているのに…。
内心,「2回やるのか?」,「強要は止めて欲しいけど…」と思いつつ,周りがそのままで居るので動きようがない。そのまま待っていると,またまた出てきました。お2人は苦笑いしている様子。「君らなぁ〜」,「ホンマにやるんか?」,「客電ついたやん」,「大阪の客はタダで帰らん…」,などと言いつつも,ここに来ているファンの「熱意には負けた」という感じ。さて,ここからが「本来の意味」でのアンコールかな?
今日のライブはペアチケットの事前申し込み抽選だったので,その際「誰と来るか」を書いて申し込んだのだが,その「誰と一緒に来るかリスト」を,ライブ前に目を通したらしい。「友達と来ます」,「彼/彼女と来ます」という中に,「親子で来ます」というのがあったそうな。客席に尋ねてみると,お母さんと子供さんで来られた方が実際に居た。それを見て,「すいません,しんどくないですか?」,「次からは“シルバー席”を用意します」などの掛け合いがあり,次に話題となったのが,誰と来ますかという質問に「男女」と答えたものであった。「“男女”って…なんか怪しげ」というような感想を,お2人は抱いたらしい…。確かに,そう言われれば怪しげだ。
続いて,チケットのデザインの裏話があった。実は最初は横長のチケットで,そこに膝上の写真が印刷されていたそうな。2つに分けると,上半身と下半身に分離されてしまい…。これはいかがなものか?ということで,縦長に改められたらしい。そこで客席に,「いづみちゃんチケット」,「まきちゃんチケット」どちらを持っているか尋ねたが,どうも数が合わない。それもそのはず,2つに分けずに持っている人が多いのであった。その気持ち,よく解ります。
あと,「ペアチケットなのに1人で来た人」という質問に対しても,あちこちから手が挙がっていた。やはり,ペアチケット制における今後の課題は,こういう点ではなかろうかと思ったが,果たしてどうなるか?あと,「トリプルチケットならどうやろ?」,「男2人女1人は微妙な関係や」,「その逆も」,はたまた,「男3人で来てたら,こっちが“大丈夫?”って言いたくなりそう」,との話しもありました。
さて,2回目のアンコール曲の披露となるが,ここまで喋っていたのは,あまりに突然のことだったので,お2人とも「いっぱいいっぱい」だったらしいのが原因のよう?おのさんも「ワシ,いっぱいやねん」と白状?してましたし。客席からは「噛みなや〜」との声が掛かるが,おのさんは「大丈夫,唄えへんから」,「でも,ミスタッチも噛むって言うか…」などとのやりとりがあり,こじまさんがステージ中央に立ち唄います。「ハナムケノハナタバ」。不意に起こったアンコール要求にも,ものの見事に応えます。もはやファンは,それ以上のことは求めません。8時45分頃,全予定は終了。
久々のオールスタンディングでのワンマンライブ。さすがに長時間で疲れましたが,心地良い疲れです。昨今の花*花人気の上昇で,初めての方も多いように見受けられましたが,だんだん,その魅力に引き込まれ,知らぬ間に拍手をしたり手を振ったしていた方たちも,居られたのではないでしょうか?
どうやら来春にライブツアーを行うことは決定したそうですが,出来ることなら「遠征」もしてみたいような気もします。今からホント楽しみです。


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