歌姫たちの
アコースティックNight
〜La La La♪〜


2000年08月20日 大阪貝塚・コスモスシアター中ホール
1.アドバイザー(keyboards:おのまきこ,こじまいづみ)
2.赤い自転車(keyboards:おのまきこ,こじまいづみ)
3.ひまわりの花(keyboards:おのまきこ,こじまいづみ)
4.雨の雫(keyboard:こじまいづみ)
5.月(keyboard:こじまいづみ)
6.空の青(keyboard:こじまいづみ)
7.A lot of money(keyboard:おのまきこ)
8.あ〜よかった(keyboard:おのまきこ)
9.ずっと一緒に(keyboard:おのまきこ)
10.あなたに逢いにゆきましょう(keyboards:こじまいづみ,おのまきこ)
(encore)
11.ハナムケノハナタバ(keyboard:おのまきこ)
先日のLIVE JUNCTION vol.4に続いて,夏の花*花ライブに出向く。場所は,大阪府南部の貝塚市・コスモスシアターということで,通い慣れた南海線を一路南へ。貝塚駅で水間鉄道に乗り換えて一駅,市役所前で下車し会場であるコスモスシアターへ。
この水間鉄道,大阪唯一のローカル私鉄で初めて乗ったのだが,予想以上のカルチャーショックを受ける。まず,非冷房車…阪堺電車でも冷房あるのに。駅に着くと車掌が切符集めて…それも客が多く面倒くさそうに。電車というより,ほとんど「バス」みたいな感覚なのでしょう。おそらく。
駅から徒歩でホール前に着くと,そこでは,「コスモス夏祭り2000」というイベントをやっており,屋台や露店,フリーマーケットなどが広がり,泉州のだんじり囃子が流れ,法被を着た踊り子が踊っている。それはそれで楽しそうだが,肝心のホール入口が見あたらない。あれこれ探しスタッフらしき人に尋ねてみると,本部席?の真後ろに入口があった。これじゃあ,わからんはず。
開場の午後4時半まで,まだ時間はあるのに,既に多くの人が入場待ちをしている。やはり自由席だから?私の持つ整理番号23番のチケットを見せ,係員に並ぶべき列を尋ねて時間まで待つ。
意外だったのが,コスモスシアター直売のチケットを持った人が多かったこと。100人以上は居たかも?予想では前に近いところで見られると思っていたが,どうやらそれは無理なよう。
で,開場。自由席ということで一部の人は走り出すという光景が見られたが,おおむね整然と入場。入ってみると,確かに中ホールなので大きくないが,綺麗で見やすそうな感じ。固定席とステージとの間にはパイプ椅子が5列ほど置かれ,少しでも多くの人を入れようとはしていた。だが,最前方ならともかく,床に傾斜がないので逆に見にくいように思われたので,固定席の6列目に座る。もちろん,おのまきこ対応?のため,ステージに向かって左側,野球でいうライトスタンドをキープ。開演の5時まで,アンケートを書いたりして過ごす。
予定より5分ほど遅れ,ステージ上に「いしのだなつよ」ギターケースが置かれる。雑誌・テレビで見たことはあるが,青空とひまわりがきれいに描かれている。そして本人が登場。「一等星」,「約束」,「終わりのない夏」,「sandglass」,「夕日にほえろ(?)」,「ひまわり」の6曲を披露。
最後のひまわりでは,ギターからプラグを抜きマイク無しの生声で歌うというパフォーマンスを見せる。「後ろの方が聞こえない」からと,ホール通路を歩きながら歌うという場面もありました。以前から,この「いしのだなつよ」さんのステージは見たかったので,良いチャンスに恵まれました。サービス精神旺盛でパワフルな人との印象を受けました。観客を喜ばす術を知ってるというのは,やはり叩き上げの強み?もう一回見て聴いてみたいと思わせるアーティストですね。
途中休憩を挟み,5時50分頃から花*花のステージが始まる。今日はツインキーボードのみ。登場しただけで客席から声が掛かるので,思わずおのさん「始められへん」。衣裳は,おのさんが紺?のノースリーブシャツにパープルのパンツ。こじまさんが黒のタンクトップにスカート。両者ともサンダル履き…だったような。
まず,1曲めは「アドバイザー」。唄い終わってのMCで一言,「貝塚の人は元気がいいねぇ〜」。そして,前のいしのだなつよさんのステージが盛り上がっていた事を話すと,客席からは「花*花がんばれ!」との声が。
夏休みということもあって,「夏休みが“無かった”人は?」と尋ねる一幕も。また,お2人が「仕事で日焼けしてしまって…イベント焼け」と話すと,「白い〜」との声が飛ぶ。確かに,遠目からでは焼けているようには見えませんでしたが。移動するだけでも少しは焼けてしまうのでしょう。
「今日は天気が悪かったけど,天気の良い日に聴いて欲しいです」との紹介の後,「赤い自転車」。♪ぐんぐんこいで〜のところでは,客席にもマイクを向け一緒に合唱する様子が見られました。
こじまさんは,ついさっきまで,このホールのことを「コスモシアター」で“小宇宙”だと思っていたらしい。おのさんは「それより前に気が付いていた」とのこと。コスモスは貝塚の市の花らしいとか。季節にはたくさん咲くらしい。で,コスモスの季節には未だ早いので,ひまわりを…次はアレですか。どうやら今夏はひまわり(野に咲く?)を見ていないようです。仕事が忙しいせいかもしれないが…。「ファンの方からプレゼントとしてはたくさん頂いています。家に飾っています」とのこと。
「ひまわりの花」が終わると,おのさんがステージ中央に立つ。だが,「何をしゃべるか忘れた」と…。その時,客席から「オリコン8位!」と声掛かる。お2人は「ありがとう,みなみな様のおかげです」と御礼。しかし,当初は意味がよく判らなかったらしく,スタッフの方に,「マラソンで全国8位みたいなもの」と説明され,そのすごさが実感できたらしい。こじまさんは「ワールドカップやったらレギュラーや」と言ってましたが…??それを聞いて,おのさん「これ以上しゃべるとボロが出るので…」と,さっそく歌へと。
唄うは「雨の雫」。私の大好きな歌なんですが,バンドバージョンではなく,キーボードのみのシンプルな形態だったので,ボーカルがよく聞こえて非常にいい感じ。照明も綺麗でした。終わって次は夏話し。「今年の夏は暑かった?」,「毎年,同じ事を言ってるけど」,「でも,今年は仕事で屋内が多くて…」,そして,おのさんは「空調が効いて寒いぐらい」なのだそうです。それに対し「クーラーを切ったらいい,でも私はいや」と,こじまさんは答える。だから「私一人だけでなく,みんなが居るので長袖を羽織って」過ごしているらしいです。この辺,なかなか難しいですね。あと,おのさんは夏なので汗をかきたいらしく,こじまさんが「だったら走れば?」,と返すと,その場でジョギングするマネをしたりして…,おちゃめな「おのまきこ」を見ることができました。
夏に続いて秋の話しが。どうやら「私たちのキャラではない」(こじまさん)けれども,夏の終わりのもの悲しい,切なげな雰囲気は好きではないらしい…などと話し,おのさんが「別に次につながるわけではないよ」と言うと,客席からは「月!」と声が…。思わずおのさん「先に言うな!」。ネタバレされては困りますよね。でもって,「月」,「空の青」とステージ中盤でいつも聴かせる「おのまきこ」ボーカルが2曲続きます。
しっとりタイムが終わり,「ぼちぼち動きますか?」(こじまさん)ということで,おのさんとこじまさんがバトンタッチ。次いで,小道具の眼鏡が出てきます。何か知ってる観客は,これだけで大喜び。思わずこじまさんも,「眼鏡でお客さんが喜ぶのは,ウチらと“やっさん”(横山やすし)だけ」と,伝説の漫才師と肩を並べた?ようで,ちょっと嬉しそうにも見えましたが…。「CD化できない曲で…」,「限定版で出そうかな?」,「日本もこれがリリースできるぐらいの心の余裕があれば…」などと,何か知らない観客への触れ込みを行い,みんなを立たせて唄うは「A lot of money」。
一緒に歌って儲かりましょ。曲中でのメンバー紹介のところでは,「16万?のフルートを買った,おのまきこ」と相方を紹介していましたが,いつの日か,ステージ上で披露して貰えることを期待しています。フルート演奏のある新曲なんてあれば嬉しいですね。「リコーディスト?こじまいづみ」とのコラボレーションってのも,ひと味違った花*花かも。A lot〜の盛り上がりをそのままに,聞き慣れたメロディーがカラオケで流れてきて,続くは「あ〜よかった」。さすがはヒット曲。この曲になると客席の反応が違いますな。「待ってました」といわんばかり。
観客との「あ〜よかった」の大合唱を終え,「いやぁ〜よかった」,「ホンマによかった」などとしゃべっていると,「次は,“ホンマによかった”って歌を作ろ」と,こじまさんが言って笑いを誘う。で,立ちっぱなしのお客さんを,花*花は「小心者」なので,ひとまず「お座りください」と言って座らせる。
「夏休みで,お祭りやってて,ご家族連れも多く…」と,皆が一緒に居られるように願って,「ずっと一緒に」を熱唱。歌唱後に,おのさんから,「こじまいづみが,みなさんと花*花がずっと一緒に居られますようにと歌いました」と話す。もちろん,そのつもりですよ。末永く応援していきたいので,歳を重ねてもライブ活動を続けて欲しいです。
「次で最後となりました」。客席からは「えぇ〜」と残念な声が漏れるが仕方がない。「秋には新曲が出ます」と,リリース情報を述べた後,最後は陽気な感じで締めるそうです。また皆さんと逢えるようにと願いを込めて,「あなたに逢いにゆきましょう」。歌唱後,拍手の中,お2人はステージ袖へと退く。だがしかし,拍手の波はいっこうにおさまらない。しばらくたって,再度,ステージ上に登場。割れんばかりの拍手が場内に渦巻く。
どうやら,今回はアンコールは予定外の出来事だったらしい。これぞ本来の「アンコール」。袖で「出ようか出よまいか」考えていたらしいが,もし長い間待たせて,「お客さんが帰ってしまったら,どうしよう?」と,小心者のお二人は思って,早くに出てきたそうです。予定外のアンコール,「何をしようかな?」と口にすると,客席からは「あ〜よかった」などとリクエストの声が飛ぶ飛ぶ。「また歌うの?」,「カラオケボックスやないんやから」,「それはCDで何べんも聴けるやん」ということで,「ここではCDになっていない曲を歌います」,で披露するのは「ハナムケノハナタバ」。
ようやく私は,この歌を生で聴くことができました。以前に聴いたのはラジオの公開放送でガラス越しだったので。最後の最後,じっくりしっとり聴かせて,花*花のステージは終わりました。時は19時少し前。
今日の花*花はバンドではなく,シンプルなツインキーボード。おまけにホールということから,お2人の「声」をよく聴くことができました。ホールでシンプルなのは,いいかもしれない。公演終了後,席を立ちロビーに向かうと,CD即売コーナーから「はいっ,ありがとうございます」などと,聞いたことのある声,それも大きな声が聞こえてくる。何かと見てみれば,さっきステージで歌っていた「いしのだなつよ」が,自分のCDを手売りしているじゃないですか。しまいには,ギター片手に歌まで唄って…。
私は財政的に余裕が無かったので,残念ながら今回は見送りましたが,一度じっくりと聴いてみたいですね。それに,このような触れ合いができる(無理強いではなく自発的な)って強みの一つです。ある程度の期待を抱いて楽しみにしていましたが,予想以上のものが見られて,かなり得した気分で帰路につきました。


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