LIVE IN ROKKO
2000年04月29日 | 兵庫・ウェルブ六甲道2番街 六甲道復興フェスティバル |
1.赤い自転車(keyboard:おのまきこ) 2.あなたに逢いにゆきましょう(keyboard:こじまいづみ) 3.雨の雫(keyboard:こじまいづみ) 4.あ〜よかった(keyboard:おのまきこ) 5.ずっと一緒に(keyboard:おのまきこ) (encore) 6.1ばんほしかったもの(keyboard:おのまきこ) |
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ゴールデン・ウィークの初日。温かな日射しが降り注ぐなか,六甲道へと足を向ける。本当ならイベント前に神戸辺りでモノ探しをしたかったのだが,仕事の都合で,ちょっと無理。事前に問い合わせて聞いておいた,午後4時20分の花*花の出番に合わせて出発する。せっかくの外出なので,ちょっともったいないような気もするが…。 現地には午後4時少し前に到着。駅前の雰囲気がガラっと変わってしまっている。5年前の震災後,私は神戸・阪神間に住む知人を訪ねたり,また,ウチの大学の震災調査の一環で,大阪―神戸の街を,それこそ足が棒になるぐらい歩き,この六甲道周辺も何度か通ったが,その時のイメージとは,当然ではあるが変わっていたので,ちょっと驚きつつ現地へ。 駅前から,会場の震災復興再開発ビル「ウェルブ六甲道2番街」までは,通路で一直線。高層の住宅(ここは,おそらく震災復興住宅だろう)の低層階にショッピングセンターを設けるという,再開発ではポピュラーな感じ。会場はてっきり建物の中に有ると思っていたが,どうやら屋外らしい。行ってみると,駐車場にステージを組んだような所だった。華やかさは,正直言って無い。前過ぎもなく後ろ過ぎでもない丁度良い位置にあるコンクリブロックに腰を下ろし,時間を待つ。 どうやら,午後1時から,この場所でインディーズライブが行われていたらしい。聞くところに依れば,花*花のお2人の知り合いの「高田志麻」さんや「広沢タダシ」さんが出られてたよう。どんな感じなのか,以前から聴いてみたかったのだが,今回は仕方がない。 そのライブから花*花の出番まで少し時間があるようなので,私が着いた時には観客は少なかった。しかし,途中でMCの女性がアナウンスを入れ,開始時刻が迫るにつれ人が集まってきた。最終的には,アスファルト上に座る観客の外側を,立ち見の人が取り囲むという盛況となった。 そして,花*花のお2人がステージ上に登場。おのさんがキーボードの準備をする中,こじまさんがマイク前に立ち,「寒くないですか?」と,ひと声掛けた後,「赤い自転車」からライブは始まる。本日の衣裳は,おのさんが紺のジージャンに黒のパンツ,こじまさんが黒の半袖にスカート。こじまさんの首に巻かれた,真っ赤なスカーフ?(マフラー?ショール?)が鮮やかでした。 「ゴールデンウィークですね」,「長い人は9連休ぐらいあるそうで…」と,まずは連休話し。そして,「4連休の人は…」と挙手を求めると,幾人かの手が挙がるが,それを見て,こじまさん,「いけしゃあしゃあと手が挙がって…」と,自ら仕事でステージに立っているのでちょっと不満そう。 イベント開始前に,MCの方が「六甲道とは縁のある花*花さん…」などと言ってたのは,どうやら,お2人が通っていた音楽専門学校が,この界隈にあるかららしい。おのさん曰く「ここから北西の場所かな」とのこと。この辺は「庭みたいな所」なんでしょうね。 天気も晴れて「日頃の行いが良く…」,「でもここは日影になってる…」という会話もありつつ位置交代。 おのさんがマイク前に立つ。キーボードを弾くために椅子に座ったこじまさん。そこで一言,「ステージが斜めになって,酔いそう」。確かに,ここは微妙な斜面になっていました。まあ,「坂の街」神戸らしく,観客にとっても多少は見やすくなっているみたいな感じもする。続いて唄うは「あなたに逢いにゆきましょう」。おのさんがメインボーカルなので,より熱の入る私。 歌唱後は,「地元ネタ」が展開される。その専門学校に入学したのが震災直後の春で,入学式も6月に遅れて行われたこと,学生生活では色々なことがあり,この周辺には「青春の思い出」が,いっぱいあふれていること,パフェ同好会なるものを作り,水道筋の商店街の喫茶店によく行ったことなどでした。 そう言えば,1995年の4月には東海道線は復旧していたので,無理なく通うことが出来たんですね。阪神ユーザーの私は,御影から代行バスに乗っていましたが,JR全通で楽になった記憶もあります。でも,徐行運転の電車から見える景色は…ある意味,私にとっても忘れられないものです。 その,青春の思い出とともに,この場所で生まれた曲ということで,「雨の雫」を熱唱。犬を連れてドライブしたんでしょうなぁ〜と,一人いろいろと思ったりする。この歌以外にも,どうやら「花*花が花*花になる前」に,沢山の歌がこの街でできたらしい。そして,この街の変わっていく様子を目にしながら,学生生活を送っていたので,おのさんは,「いづみちゃんは2年,私は3年(“留年ではない”と強調),復興の様子を見てきました」,「全てが綺麗に変わっていくのに驚き,また一抹の寂しさがある…」というようなことを感じるらしいです。 再度,位置交代。ちょっと手間取ったりします。「斜めになってて狭い」のが理由だそうです。ここでこの歌を歌えてよかったと言うこともあるらしく,「あ〜よかった」を唄う。観客も手拍子を一緒にして,盛り上がり始める。どうやら,この歌も六甲道近辺で作られたらしい。言わばこの辺りは,花*花の原点中の原点とも言えますね。 唄い終わって,おのさんが「近況報告を…」と告知をすることを,こじまさんに促す。しかし,「ぅう〜ん」と唸ってしまう。ライブもないし…。結局は「ホームページを見て下さい」とのこと。イベントについては,こじまさん「まあ,あちこちでやってるんで探して見に来て下さい」,おのさん「クイズみたい」ということで,探して見に行くことにしましょう。 「私たちを見に来るお客さんが…」,「最近,女性2人組が多い」,「休みなのでご家族連れも…」,「ご苦労様です」などとあり,みんながいつまでも一緒に居られますようにとの思いを込めて,歌うは「ずっと一緒に」。最後は,じっくりと聴かせて終わります。ひとしきり,こじまさんの歌声が響いた後,お2人は退場する。これで本日のイベントは終了…のはず? だが,これからがちょっとしたハプニング。観客からアンコールを求める拍手と声が挙がり始める。私も何度もこういうイベントを見ているが初めてのこと。その声は,だんだん大きくなる。自称「小心者」らしいお2人は,少し慌てたような感じで,再度ステージ上に現れ出る。そして,「ステージに出てきて声援に応える程度か」と思いきや,おのさんが楽譜をキーボードにテープで貼り付けている(かなり手作り感覚でした),ということは…。 お2人曰く,「後ろ(舞台裏)でかなり慌てていた」らしいです。「あなたたちは,これからの予定がないのか?」,というようなことも言いつつ,アンコールに応える曲は,最近ライブでよく歌っている曲で,まだCDにはなっていない…。ということは,あの歌,「1ばんほしかったもの」です。この歌を聴くことが出来るとは思いもよらず,正直,嬉しかったです。アンコール後,MCの方が登場し,花束の贈呈が行われ,イベントは終了。時刻は,丁度,午後5時。 久しぶりに,非バンド花*花を見ることができました。Blanton以来ですね。このようなイベントでは,昨年末から無いですね。最近は,ずっとバンド花*花でしたから。バンドも音に幅があって楽しいのですが,シンプルなキーボード&ボーカルも,なかなかいい感じです。「雨の雫」や「ずっと一緒に」などは,ボーカルがよく耳に入りますし。 しかし,この手のイベント(俗に言う「営業」)で,アンコールを求めるのって,どうなんでしょ?まあ,お2人とも,舞台袖で慌てることはあったとしても,決して悪い気はしないであろうと思いますが,何か,過剰な要求をしているような気が,私はしました。コンサート等でのアンコールは「仕込み」のもの(が多い)なので,今日みたいなのが,本来の意味での「アンコール」なのでしょうが…,前と同じく,これまた,考え過ぎなのかな? |